ホテルのマーケティング担当者にとって、SEOはミステリーであり、心配の種になり得ます。 どうしたらランキングを上げられるのか? どんなキーワードをターゲットにすべきか?
これらの疑問に答え、さらにその先へと行くために、D -EDGEは、最高デジタルエージェンシー責任者であるJean-Dominique Brivetを中心にコンサルティングを行ってきました。 元EquaeroのAssociate Director 2022年D-EDGEにより買収、Brivetは20年以上のSEO戦略を専門とするデジタルマーケティング経験の持ち主です。
ホテルにとってSEOはなぜ重要なのでしょうか?
SEO(検索エンジン最適化)は、質の高いウェブサイト・トラフィック、ブッキング、収益の増加を望むホテルにとって、包括的なデジタル・マーケティング戦略の重要な鍵となるものです。 Google検索は、中でも最も効果的なプラットフォームのひとつです。
Googleで検索結果を見ると、多くのスペースが有料広告で占められています。 しかし、SEO対策をしっかり行えば、ウェブサイトへのトラフィックの最大約40%をオーガニック検索(広告ではない検索)から生み出すことができるようになり、これはこのベストクラスのホテルが達成している割合です。 これは膨大なトラフィック量です。 さらにGoogleでの順位表示も非常に安定します。 上位表示を達成すれば、ペナルティが生じるような重大なミスをしない限り、その順位を半年から2年は維持することができるはずです。
つまり、オーガニック検索を呼び込むコストは比較的低く、もたらす価値は非常に高いと言えます。 すべてのデジタルマーケティング対策の中でも、SEOは最も高い投資効果を生み出すことができます。
Google以外の検索エンジンは重要でしょうか?
Googleは世界中の検索マーケットで80~90%を占めています。 Yahoo Japanが多く使われている日本と、Googleが検索で使えない中国だけは例外です。 マイクロソフトのBingは全体シェアの約3%を占めます。 どちらの検索エンジンも仕組みは大変似ているので、Googleのための対策はBingにも同じように適用することができます。
Googleの表示順位を上げるのは簡単でしょうか?
優良なSEO対策を行なっている場合、つまりオンページ、オフページ、テクニカルな最適化を組み合わせた施策を指しますが、これについては後で説明します。はっきりとした結果が出始めるのには半年から1年ほどかかります。 ただ、これらは全体的な戦略内容と、ポジショニングおよびランキングで何を達成したいかにもよります。 これには時間と労力を要しますし、現実的にならなければなりません。
例を挙げてみましょう。 もしも私がシドニーで独立系ホテルを経営しているとしたら、Googleでの「ホテル シドニー」のクエリでオーガニック検索結果のトップ10に表示されるチャンスはほぼゼロでしょう。 人気の高い検索キーワードの競争は激しく、独立系のホテルは、OTAやホテルチェーン、シティガイドなどの、高い関連性のあるコンテンツページを膨大に持つ強力なSEO上の競争相手に対抗しなくてはなりません。 独立系ホテルとしての私のウェブサイトは、ランキングで彼らに対抗できるような十分な関連性がありません。
しかし、セカンドレベルクエリや—ロングテールクエリであれば、上位にランクされるかもしれません。—例えば「シドニーのオペラハウス近くの3つ星ホテル」のように。 この場合はトラフィック量は減りますが、より質の高いものになります。 または、もしも私がシドニーで3つ星ホテルチェーンを10軒運営していれば、「3つ星ホテル シドニー」のクエリでトップ10に入る可能性があります。 同様に、小さな街の独立系ホテルで、ランキング競争が少ないところであれば、人気検索クエリで上位に入ることを目指せます。
ホテルがGoogleで上位にランクされるには?
Googleでサイトがどのようにランク付けされるかを、技術的な側面から見てみましょう。 まず、Googleがあなたのウェブサイトをクロールしてすべてのページを見られるようにする必要があります。 もしページにアクセスできなければ、インデックスされないので、検索もされません。
さらに、ランキングされるための2つの重要な要素があります。 実際にはGoogleのアルゴリズムは何百という要素を考慮してランキングを決定していますが、中でも重要なのがこの2つです:
- コンテンツ ウェブサイトに掲載するコンテンツが多いほど、検索結果で上位にランクされる可能性が高くなります。 ただしそのコンテンツは質や独自性が高く、ユーザーに関連性のあるものでなくてはなりません。 ユーザーにとって関連性が高ければ、Googleにとっても同様です。
- 人気度 人気度はあなたのサイトへのリンク数の多さとその内容によって測られます。 上位にランクされるためには、ホテルは現地の観光案内所の公式サイトや旅行先に関連するブログなど、高いトラフィックのある外部リンクを獲得する戦略が必要となります。
ホテルはターゲットにする適切なキーワードをどのように選べばよいのでしょうか?
実用的であること。 キーワードの選択はコンビネーションに基づく必要があります。 検索意図の, 行動、そして コンテンツ、さらに ブランド・ポジショニングです。. ひとつの最上位のキーワードフレーズと、複数のセカンダリーフレーズをターゲットにします。 競合相手がしている内容をチェックし、さらに改良していきます。 あまり一般的ではないけれど、あなたのホテルには関連するクエリを探しましょう。例えば「モンマルトルのブティックホテル」など。なぜなら多くの人がこのようなキーワードを使ってクエリを入力するからです。
同じエリア内であなたのホテルと他のものを区別できる特徴を見つけましょう。 例えば宿泊客があなたのホテルについて述べている口コミを見たり、以下のような質問に答えることもできます:
- あなたのホテルはどこにありますか?
- どのようなタイプのホテルですか? 3つ星、4つ星、ブティック、それとも別のタイプ?
- どのような旅行客をターゲットにしていますか? 若者、家族連れ、カップル、独り客、ビジネス客、あるいは他の種類の客?
- どのようなスペシャルアメニティーを用意していますか? レストラン、バー、ミーティング、プール、スパ、その他のものがありますか?
- その他、特筆すべき特徴やサービスがありますか? 例えば、ペット同伴可、子ども歓迎、身障者が利用しやすい、エコフレンドリーなど。
キーワードを選んだら、それらをWebページの以下の場所に適切に配置しましょう:
- URLページ
- タイトルタグ
- メタディスクリプションタグ
- h1タグ(大見出し)
- hnタグ:h2、h3、h4、h5、h6(サブ見出し)
- altタグ(画像代替テキスト)
ただし、やり過ぎは禁物です。 同じページ内にキーワードフレーズを3、4回以上繰り返すと、Googleはキーワード過剰と見なし、あなたのサイトにペナルティーを課すかもしれません。
ホテルのウェブサイトで見られるSEOの失敗例とはどのようなものでしょうか?
以下はよくある失敗例です:
- 派手なウェブサイト。 多くのホテルが派手なウェブサイトを作りがちですが、Googleはそのコンテンツをクロールすることができません。 先に述べたように、Googleがコンテンツにアクセスできなければ、ランク付けされません。 D-EDGEでは、Googleのガイドラインに完全に準拠したウェブサイトを構築・運営しています。
- テキストコンテンツが十分でない。 ホテルは美しい部屋やプール、スパなどの写真を載せることを好みますが、もしもGoogleの検索に表示されたければ、効果的なテキストコンテンツを組み込むことも必要です。 SEOにおいてはコンテンツが一番重要なのです。 ただうまく行うには、努力とノウハウ、そしてお金が必要です。
- 誤解を招くような情報。 ウェブサイトのコンテンツは正確でなくてはなりません。 シャンゼリゼに近いと宣伝しているホテル広告を見ましたが、実際は地下鉄で30分も離れたバスティーユにあるのです! Googleは質の高い、正確で役に立つコンテンツのあるウェブサイトを好みます。
- 自動再生ビデオ。 時にホテルはホームページに動画を掲載し、動画の中の情報だけでテキストコンテンツは載せない場合があります。 しかしランクはどうなるのでしょうか? 読み込むのにも時間がかかりすぎます。 Googleはサイトの表示スピードとユーザーエクスペリエンスも重視します。 もしもバウンスするビジターが多すぎれば、ランキングは下がるかもしれません。 動画はそのままでもよいですが、自動再生にはせず、動画の背後にホテルの簡単な説明を加えることもできます。
- オフトピック・コンテンツ。 ホテルのウェブサイトコンテンツは、時にSEO戦略の中核からは外れたものになってしまいます。 例えば、あるホテルが関連する検索結果に表示されることを期待して、地域の展示会やアートショーに関するブログを投稿します。 ところが表示されることはなく、つまりSEOには関係ありません。
つまり、SEOの目的はコンバージョンの目的とは異なるということでしょうか?
ある面ではそうです。 SEOは妥協の連続です。 技術的な部分とコンテンツの部分で妥協しなくてはなりません。 SEO戦略のためだけにウェブサイトを作るわけにはいかないし、ブランドの宣伝のためだけにもウェブサイトを作ることはできません。 問題はこれらの間のバランスです。 すべてのニーズを満たし、なおかつ可能な限りSEO対策を進めて成功のチャンスを掴まなくてはなりません。 同時に、サイト上では部屋の写真や説明、特別オファー、ベストレート保証など、サイトの訪問者を予約者へと誘う要素を盛り込まなくてはなりません。
このようにオンライン・パフォーマンスに関してはすべてが繋がっているため、総合的なアプローチが重要になります。 D-EDGEでは、まさにこうしたデジタルメディアに関する総合的なアプローチを提供しています。
このようにオンライン・パフォーマンスに関してはすべてが繋がっているため、総合的なアプローチが重要になります。 D-EDGE […] では、デジタルメディアに関する総合的なアプローチを提供しています。
ホテルはモバイル向けに別のSEO戦略を持つべきでしょうか?
Googleのクローラーは3年前からモバイルファーストとなっています。 クローラーは、ほぼモバイル版ウェブサイトのみをクロールしています。なぜなら世界の80~85%の企業対消費者(BtoC)のトラフィックがモバイルだからです。 ですから、ウェブサイトとSEO対策にはモバイルファーストを考慮しなくてはなりません。 例えばD-EDGEでは、デスクトップとモバイルの戦略を分けるのではなく、両方に適用されるモバイル戦略を行なっています。
スマートフォンの画面は小さいので、ホテルのウェブサイトを訪れた人が最も探している機能やコンテンツを優先する必要があります。 最も優先されるのは予約ボタンです。 それから写真が必要ですが、クローラーにしか読めないようウェブフォールドか、スペースを取らないよう「さらに見る」ボタンの後ろに隠したテキストコンテンツを加えます。 Googleがモバイルメニューに容易に辿り着けるようにすることも大事です。
SEOの管理に役立つおすすめのツールはなんですか?
私のお気に入りをいくつか紹介しましょう:
Googleキーワードプランナー この無料ツールは、キーワードを調査し、キーワードごとの検索数の見積りを見るのに役立ちます。 しかし、Google広告の大量購入者でない場合は、正確な情報は得られません。 D-EDGEは大量キーワード購入者であるため、より広いデータにアクセスが可能です。
Googleアナリティクス. このツールは、ウェブサイトのトラフィックを追跡し、レポートします。 誰がサイトを訪れたか、どのようにしてサイトを見つけたか、訪れている間何をしたかについての豊富な情報を提供してくれます。
コンテンツ管理システム(CMS). このソフトウェアは、ウェブサイトのコンテンツを作成し、検索しやすいようページを管理するのに役立ちます。 数多くのCMSから選ぶことができます。 最も人気の高いものではWordPress.org、Wix、Joomlaがあります。
Screaming Frog SEO Spider
これは、あなたのウェブサイトにSEO上の問題がないかを監査するウェブサイト・クローラーです。 あなたのウェブサイトがGoogleのガイドラインに準拠しているかどうか、準拠していない場合は何を変更する必要があるかを判断するのに役立ちます。
Semrush キーワードの調査、競合の分析、Google広告の最適化を行うためのツールです。 検索ボリュームの大きいホテルグループに最適です。
Yoast. WordPress用のプラグインで、ページのコンテンツを分析し、サイトのコンテンツとキーワードの最適化を支援します。
Majestic. このツールはバックリンク分析に特化しており、誰があなたのウェブサイトにリンクしているのかを調べるのに役立ちます。
Xenu ウェブサイトのリンク切れをチェックするツールです。
Googleアナリティクスは非常に複雑になっています。 代替案はあるのでしょうか?
Googleアナリティクスの新バージョンGA4では、専門家でなければ、おそらく完全に迷子になってしまうでしょう。 私たちのおすすめは、これはD-EDGEが開始した新しいサービスですが、GoogleのLooker Studioでダッシュボードを作成することです。 ここではトラフィック、ソース、デモグラフィック、Google広告のパフォーマンスなどを含む主要なウェブサイトデータを、Googleアナリティクスで探すことなく要約して簡単に追跡することができます。
ホテルは自社でSEO対策ができるのか、それともデジタルエージェンシーが必要なのでしょうか?
それは場合によります。 ホテルにSEOに大変詳しいスタッフがいれば、社内で管理することは可能です。 しかしこれは時間が必要で、特に人手不足の状況では、ほとんどのホテル経営者はそれに割く十分な時間がありません。 じっさい、今日多くのデジタル分野では専門家が必要となっています。なぜなら、ウェブサイトの管理や、有料キャンペーン、CRM、収益の管理などが大変複雑になっているからです。 SEOも例外ではありません。
デジタル空間は常に変化しています。 例えば欧州では、欧州連合からの立法案である—デジタル市場法(DMA)が—2024年から検索分野に大きな変化をもたらす可能性があり、ホテルが競争力を維持するためにはそれに適応する必要があります。
一般的には、ホテル業界を専門としているか、 デジタルマーケティングエージェント 少なくともフリーランスと仕事をするのがよいと思います。 優秀な代理店であれば、あなたのウェブサイトがSEOに十分に対応していることを確認し、適切なキーワードを見つける手伝いをし、さらにコンテンツを書いてくれることもあります。 さらには、常にトレンドを把握し、戦略を適応させることで、最大限よいポジショニングをとり、最適な予約数と収益を確保することができます。
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